技術紹介 Possessed technique

Shinso-MaN工法

    Shinso-MaN工法
    工法概要図
  • 刃口外寸※:(H)4.002×(φ)2.200m

    機体重量※:約50kN

    最大推力※:800kN (200kNジャッキ×4台)

    適用杭径:φ2.0~3.0m程度

    ※は試験施工時に仕様(抗径(φ)2.0mの場合)

鉄道工事等の狭隘箇所における深礎杭の施工では、掘削機械の持込みや設置が困難であり、また空頭制限により、人力作業が大半を占めています。特に深礎杭が小径であるほど、坑内での作業性は低下し、作業環境も劣悪となります。さらに若年労働者が減少し、担い手不足が深刻な問題となっています。加えて営業線近接工事では作業時間が夜間線路閉鎖間合いに限られ施工効率の低下や高コスト化の原因となっています。 そこで小径深礎杭でも持込み可能な刃口や掘削機械を用いることで、掘削作業を坑外から遠隔操作で行い、坑内の人力作業の減少や省人化を図ることにより、施工環境を改善しました。

工法概要

本工法は土留めとしての役割を持つ刃口を用いた工法であり、この刃口内で掘削・ライナープレート組 立等のすべての作業を行うため、従来工法と比較して孔壁崩壊のリスクに対する安全性が大きく向上しました。また刃口内下 部を掘削室、上部を作業室と区分しました。掘削室は無人化とし、人が入る必要を無くしました。作業室はライナープレート の組立や裏込め注入を行う有人箇所とし、作業室全体を保護するヘッドガードを常設しました。これにより従来工法では実現 できなかった掘削とライナープレート組立等の同時作業を実現させ、生産性向上につなげております。

掘削室内部(試験施工)
坑外からの遠隔操作(試験施工)

特長

孔壁防護

従来工法では掘削完了後、ライナープレートの組立作業が完了するまでに地山が露出した状態となり、孔壁崩壊のリスクがありました。これに対して本工法は掘削の進捗に伴い刃口をジャッキにより圧入していくため、地山の露出を無くし、常に孔壁を防護することを実現させました。また刃口内には可動式孔壁防護管を配置しました。防護管は圧入ジャッキと連動し、裏込め材注入までライナープレート背面に留まった状態となります。 これにより刃口の圧入時に支障物等により圧入ができなくなるトラブルが生じた場合でも、その後の対応を終えるまで孔壁は守られた状態であることがメリットとして挙げられます。

排土システム

レールに沿って排土バケツを高速移動させる排土システムを開発しました。従来のベビーホイストによる排土方法と比べ、揚程11mの場合、巻上所要時間が約1/3に短縮されました。 杭長が長くなるほど、施工時間短縮効果が大きくなります。

排土システムによる坑外搬出(試験施工)

裏込め材

本工法用に新たな裏込め材を開発しました。2液混合タイプの裏込め材で、流動性が非常に高いため、1つの注入孔から全周の充填が可能です。また流動性が高いため空隙が出来にくく、隅々まで裏込め充填が可能です。ゲルタイムは20~30秒程度で、裏込め充填完了後、10分程度で型枠の解体が可能です。

新たに開発した裏込めの充填状況(試験施工)