リバースサーキュレーション工法である孔壁防護併用場所打ち打ち杭工法(Reverse Circulation Drilling Machine with equipment for Pile Hole Wall Protection)に用いる掘削機(ポータルJET3 2・P-JET3 2)には、掘削と同時に孔壁防護工を設置できる装置を搭載しています。
線路近接の基礎杭工事において孔壁防護が必要な場合、軌道への影響が及ぶ範囲、深さまで地盤改良を行うか、ケーシング等を設置することで対処してきました。しかし、これらの防護工の施工は限られた作業空間、限られた時間での作業となり、工期・工費を増大させる要因となっていました。
本工法は、掘削と同時に、孔壁防護用ライナープレートを沈設し、孔壁との隙間に特殊グラウトを充填して、孔壁を安定させる工法です。このため、軌道への影響を最小限に抑えることができ、列車の運行時間帯でも杭の安全な施工ができます。また、本工法は鉄道工事以外にも、重要構造物の近接施工等でも効果を発揮します。
掘削機の構造
- ホーム上での施工ができるように門型フレームを採用し機械高(3.2m)を制限しました。
- 孔壁防護を必要とする深度(軌道影響範囲、地上より10m程度)まで、ライナープレートを掘削と同時に沈設させる装置を搭載しています。
裏込め材の特性
裏込め材はライナープレート沈設後硬化し、地山と一体化しますが、支障物等による沈設の遅れを考慮して超遅硬性材料を使用し、その比重は硬化前でも孔壁を保持できるものです。
裏込め材の特性
- 形式:トップドライブ式リバースサーキュレーションドリル
- 外寸:H3,200×L5,000×W2,200
- 掘削能力:深度50m、設計杭径~φ3,000mm、孔壁防護部掘削径~φ3,400mm
- 掘削機本体重量:約10t
- リバースロッド:8B、L = 1,500mm、W= 120kg